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まだあるのか!子宮収縮薬の間違った使い方!

2009年に始まった産科医療補償制度では、2011年以降、脳性麻痺になったケースについて原因分析報告書を検討・分析して、毎年1回、テーマを決めて再発防止に関する報告書を発行しています。 今年は、第13回目の報告書となりました。 第13回のテーマは「子宮収縮薬について」 2023年 3月27日付の産科医療補償制度再発防止委員会が出した「再発防止に関する報告書」のテーマは、「子宮収縮薬について」 。...

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「命の値段」が安すぎる国、日本

医療ミスで両手足切断 病院が被害少女に和解金62億円支払う(2023.1.21)報道に思う。 衝撃のニュースがイギリスメディアMETROで報道され、日本でも「両手足切断」「和解金62億」と話題になりました。 両手足切断になった理由は、METROの報道内容からしかわかりませんが、高熱で意識がもうろうとし、吐き気があって病院を受診しました。症状からは髄膜炎と敗血症のサインがあり「Red...

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なぜ何十年も経って、まだ陣痛促進剤を正しく投与できないの?!

2歳長男死亡、両親が県立富山中央病院を提訴 富山地裁 (2023.2.10北國新聞) 分娩時の医療事故、医療ミスで最も多い、陣痛促進剤の不適切な投与。まだ陣痛促進剤の事故があるのか、とうんざりする気持ちになりました。 富山県立中央病院で、ガイドラインを上回る量の陣痛促進剤を投与したことで生まれてきた赤ちゃんが障害を負い、その後感染症で2歳の短い命を絶たれました。...

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悲しいお産を亡くすために 2021年妊婦年間死亡者数35人

医療が進んだ日本でも、1年間で30~60人もの妊婦さんが出産のときに亡くなっています(2010~2021年)。出産ミスだけではなく自殺やその他の病気も含まれている数字ですが、衝撃の数字です。 妊婦さんが死亡したケースは報告書に詳細が報告されています。日本産婦人科医会、妊産婦死亡症例検討評価委員会が令和4年9月にまとめた報告です。幸せな瞬間であるはずの出産で、妊婦さんが死亡してしまう事故は、2010年~2021年までの11年間に517例。その解析の結果を今後の産婦人科医療に役立てる目的で作成されています。 母体安全への提言2021...

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『「吸引分娩」で生まれた赤ちゃんが約半日で死亡』背負い続ける後悔と責任

「吸引分娩」で生まれた赤ちゃんが約半日で死亡 産科クリニックに5090万円の賠償命じる判決 助産師がチアノーゼ症状に気づくも医師に報告せず 2023年1月24日大阪地裁がクリニックに賠償を命じる判決(2023年1月24日 ABCニュース) 4年もかかる裁判を経てようやく裁判所が産科クリニックの過失を認めた、との報道を見ました。...

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医療ミスとは、何か

医療ミスとは、何か? 皆さんは医療ミスと聞いたときにどういったものを想像するでしょうか。医療ミス、医療事故、医療過誤、いろいろな言葉がありますが、実はその定義に決まったものはありません。医療ミスというのが最も一般的な言葉でしょう。 医療事故は、必ずしもミスがあったとは限らず、医療に関係する事故全般を含む言葉です。医療過誤という言葉は、弁護士や保険会社といった損害賠償事件を扱う専門家たちが使う言葉です。過誤はあやまち、過失の意味です。...

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東海中央病院肝臓がん術中死、続報に渦巻く疑問(朝日新聞 岐阜地方版2023年1月25日)

  岐阜県各務原市の東海中央病院で、同じ男性外科医による肝臓がんの手術中に患者が2名死亡した医療ミス。前回のコラムを書いたその後、1月25日の朝日新聞に続報が報じられていました。記事によると朝日新聞社が、2例目の事故の「調査報告書」を入手された様子。この調査報告書の内容を見れば、本来なら何がミスだったのかすぐに分かったはずです。...

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産婦人科は医療ミスが多い?

産婦人科は医療ミスが多いと言われています。それはなぜかわかるでしょうか。 病気の人に病気の治療をするのが医療です。しかし産婦人科の“出産”は病気ではないと言われています。お産をする妊婦さんや、ご家族にとって、お産は当然正常に分娩が行われ、異常のないお子さんが生まれると考えられています。そのお産に対する期待が裏切られた時、産婦人科の出産に関する医療ミスではないかとまず誰もが思うのです。正常であることが当たり前になったために、異常であることにすぐ患者さんたちが気づく、それが産婦人科の医療ミスの特徴と言うことになります。...

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ロボット手術は安全か?

外科手術の世界で、手術支援ロボットの「ダヴィンチ」の保険診療範囲が拡大し、全身の多くの外科手術で使用されるようになりました。ダヴィンチを使用した手術は、泌尿器科で先進的な取り組みとして始まり、前立腺がんや膀胱がん、腎臓がん、消化器外科の胃がん、食道がん、直腸がん、呼吸器外科の肺がん、産婦人科での子宮体がんなどで保険適用が認められることになり急速に拡大しています。...

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脳梗塞の見落としの医療ミス裁判は、なぜ難しいのか?

脳梗塞を見落とされたという法律相談は沢山あります。患者さんやご遺族は、医療機関に行けば脳梗塞は診断してもらえるはずだと信じているため、診断してもらえず、家に帰ってから意識消失し、後日脳梗塞がわかったりすると、何故あのとき診断してくれなかったのか、詳しい検査をしてくれなかったのか!と思います。その思いは当然です。 しかし、脳梗塞の法律相談に来られると「脳梗塞の見落としの医療過誤はなかなか勝つことが難しい」という厳しいお話をしなければいけないことも多いのです。何故か、を説明していきます。...

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