妊娠後期になると、多くの妊婦さんが受けるNST(ノンストレステスト)。 何のためにやるのかな?何がわかるのかな?と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。 このコラムでは、NSTを行う目的や検査方法、グラフの見方などを詳しく解説します。 NST(ノンストレステスト)とは? NSTとは、ノンストレステストの略で、赤ちゃんが元気かどうかを確認する検査です。赤ちゃんにストレスがかからない状態(陣痛が始まっていない状態)で行います。 妊娠36週頃から行われることが多いです。胎児心拍数モニタリングともいいます。...
医療訴訟は勝てない?患者側の医療専門弁護士が、なぜ医療訴訟が勝てないといわれるのか解説します
“医療訴訟は勝てない“ そんなイメージを持たれている方は多いのではないでしょうか。 医療訴訟が勝てないと思われている理由と、解決の方法として実は多く選択されている「裁判上の和解」について解説します。 医療訴訟には知識と経験を持つ弁護士が必要です。弁護士を選ぶポイントもお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。 医療訴訟は年間どのくらい提起されている?...
「吸引分娩」による事故防止、遺族の要望は届いたのか
2017年11月に吸引分娩で生まれた赤ちゃんは、帽状腱膜下血腫という頭部の内出血によって生まれて半日で亡くなりました。赤ちゃんのご両親がクリニックに対して損害賠償を求めた訴訟は過去のコラムでもご紹介しました。...
無痛分娩の麻酔事故。あなたの産院は本当に安全な無痛分娩ができる施設?
無痛分娩の安全性 「無痛分娩、急変対策で病院選び」と新聞の医療面での特集を見て、当事務所に先日あった相談を思い出しました。無痛分娩を勧められて分娩したが、赤ちゃんが亡くなってしまった、という内容でした。多くの妊婦さんは無痛分娩をしても問題なく赤ちゃんを出産していますが、なぜ「安全か?」が問題になっているのか?それは安全に行われているとは言えない産婦人科がまだまだあるからです。 イギリスの英国産化麻酔科学会の運営する無痛分娩情報提供サイトLabourpains.comでは「Epidural Information...
『産婦人科診療ガイドライン 産科編2023』発刊
2008年から3年毎に改訂されている『産婦人科診療ガイドライン 産科編』 『産婦人科診療ガイドライン 産科編2023版』が、令和5年8月28日に発刊されました。『産婦人科診療ガイドライン 産科編2008年度版』が作成された当時から愛読者の一人ですが、2008年当時は、福島県立医大の大野病院事件で産婦人科医が逮捕されるというセンセーショナルな事件があった年です。 現在日本産科婦人科学会の理事長でおられる木村正医師が、巻頭言でも書いています。...
裁判官、また騙されてますよ!医療裁判で起こった鑑定人による作り話
医療ミスの裁判では、裁判官が専門家や鑑定人の意見に翻弄され、騙されてしまうことはこれまでもコラムで書いてきました。出来るだけ裁判官に解るように丁寧に解説してきたつもりでしたが、今日もまた、鑑定人の意見に騙されてしまっている裁判官がいて、落ち込みました。この裁判官は、頭もよく長い書面も嫌がらずに読んでくれていて、鋭く問題点を指摘してくれていると感じていただけに、あぁこの方もまた同じか、とガックリした気持ちで裁判所から帰ってきました。 今回の鑑定人が書いたのは心電図についての鑑定書でした。 心停止には4つの種類がある...
裁判で公平公正な判断をするために、技術の導入を!
専門家でなくても下手な手術は見ればわかる 「医療ミスに違いありません。」「手術ビデオを見てください!」そう言って当事務所に来られる患者さんやご遺族がたくさんおられます。ビデオを見れば「雑な手術だなぁ」「下手な手術だなぁ」ということがすぐわかります。例えば、皆さんが、交通事故のテレビ番組を見ていれば、車のドライブ・レコーダー画像から、「荒い運転だなぁ」「無茶なブレーキ、アクセルの使い方だなぁ」と直感的にわかるのと同じです。...
原因分析報告書は、児・家族・「国民」から見て、本当にわかりやすく、信頼できる内容?!2023.9.8
「原因分析報告書は、児・家族、国民、法律家等から見ても、分かりやすく、かつ信頼できる内容とする。」 この一文は、産科医療補償制度の原因分析報告書作成にあたっての考え方2022年10月版の、「基本的な考え方」に書いてあります。 産科医療補償制度が始まって10年以上経ちますが、まだ、児、家族、国民がわかりやすいものにはなっていません。 「一般的ではない」では伝わらない真意...
産科医療補償制度の原因分析報告書「医学的妥当性がない」ってどういうこと?!
産科医療補償制度の補償対象となったお子さん、保護者が受け取ることができる「原因分析報告書」。 この報告書には、なぜ脳性まひとなったのか、ご家族が真実を知るためにとても重要な内容が書かれています。 しかし、誰が読んでもわかる内容の報告書であるべきところ、実際は医学用語が多く、保護者の方々には理解しにくく、読み方を聞ける先もないのが現状です。 お手元にある原因分析報告書について、どう解釈すればよいのかわからずにいるご家族へ、必要な情報を届けることができればと思っています。...
脳性麻痺のお子さんに必要な装具 信頼できる義肢装具士に任せよう
脳性麻痺のお子さんにとって必要なケアの一つである、装具療法。麻痺の症状に合わせて、使用される装具は様々です。 痙直型脳性麻痺の基本装具ともいわれる短下肢装具や、機能訓練で用いられる長下肢装具、骨盤体付き長下肢装具、膝装具、股装具などがあります。 最近ではその技術、使用される素材ともに進化していますが、自分に合った装具を身に着けるために必要不可欠な存在が「義肢装具士」です。 義肢装具士は免許が必要です 義肢装具士という国家資格をご存知ですか?...