腎移植後の肺水腫について医師の責任が認められた

東京高裁 平成13年2月6日 判例タイムズ1109号198頁(東京地裁 平成12年2月28日 判例時報1732号87頁)
慢性腎不全の23歳の息子に、父をドナーとする生体腎移植が行われた。移植手術後、移植腎からの利尿が認められなかったため、アルブミン製剤500ml、利尿剤15アンプル、FFP製剤2単位を投与したが、利尿はつかず、15~35ml/時のみであった。腎移植は、もはや先進的・高度な医療ではなく、確立した治療法になってきている。この判例では、従来は先進的な治療では合併症だと考えられて医療訴訟にならなかったケースについて、医師の治療に問題があったとして医師の責任を認めた。

このケースでは、従来であれば合併症であると判断されがちであった先進的移植治療について、そのほかの手術などと同様に術後の管理が問題であると判断したことに意味がある。肺水腫を疑う症状が出現したにもかかわらず、水分のイン(補液分)、アウト(排尿などによる排出量)のバランスを考えず、肺水腫に至らせたという点で術後管理としては問題がある。このような術後管理は、腎移植にとどまらず、手術・処置一般に当てはまるケースだといえる。