Home 9 医療過誤問題について知りたい方 9 ❹医療ミス・医療過誤の弁護⼠選びのポイント

❹医療ミス・医療過誤の弁護⼠選びのポイント

医療ミス・医療過誤の被害を受けた、患者様や患者様のご家族が、直接病院とお話合いをされたものの、解決に至らず、他の弁護士事務所にも行ったが納得できる話を聞けなかったとして、当事務所にご相談に来られることが多くあります。
患者様や患者様が、病院から誠意ある対応を受けられず、カルテの開示さえ適切に行われないこともあります。
そのような場合、当事務所では、医療、法律、双方の専門知識を活かして、任意のカルテ開示手続きのお手伝いや、カルテの証拠保全、病院側との示談交渉もお引き受けしています。
最近では、弁護士の数が増え、インターネットや各種媒体で、様々な法律事務所が医療専門と広告をしていますが、医療専門と語る弁護士の多くは、医療だけではなく他の事件も扱いながら数件の医療事件を扱っているだけ、というのも現状です。「医学博士」の資格を持った弁護士も増えてきましたが、「医学博士」は医師ではなくても大学院で取得できる資格で、病院やクリニックに勤務した経験のない「医学博士」は多いです。
弁護士選びに悩まれる患者様、ご家族様は多いことと思います。
医療ミス・医療過誤の被害を受けた場合は、迅速なカルテの検討と医学的経過の深い理解、交渉、訴訟戦略に関する豊富な経験がなければ、専門家集団である病院側に勝訴することはできません。離婚や相続などの一般的な事件よりも、特に慎重に、医療問題に精通した弁護士を選ぶ必要があります。
そこで、医療過誤の被害を受けて弁護士を探す際のポイントと費用の相場など、必要な知識を中心に解説します。

1 医療ミス・医療過誤に精通しているかどうかは、どこでわかる?

インターネットで医療問題を扱っていると広告している弁護士はたくさんみつかります。
しかし、本当に、その弁護士は、あなたの事案を勝訴に導いてくれるほど、医療ミス・医療過誤問題に精通していると言えるでしょうか?
大切なことは、その弁護士が医療事件を何件経験し、何件勝訴判決を得ているか、ということです。
「医療問題を扱っている」と広告されているから、というだけではなく、まずは弁護士に医療事件の経験件数、勝訴判決件数を尋ねてみてください。カルテを自分で読むことができるか、カルテ記載について具体的に説明を求めてみることも有効です。
また、あなたのご病状、障害の程度や見通しについて、具体的な質問をしてみてください。
あなたの医療事件の経験件数、勝訴判決件数が十分にあって、あなたの疑問にわかりやすく答えてくれる弁護士を選ぶこと、これが弁護士選びの最大のポイントです。
医療訴訟の患者・勝訴率(認容率)は20%以下というのが現状です。カルテを正しく読み、見通しをつけられないまま訴訟にしてしまう弁護士がたくさんいることを示している数字でもあります。

2 費用と効果を考えましょう

医療過誤事件について、弁護士に依頼すると、費用が多くかかるのではないかと、ご不安な患者様も多いと思われます。
確かに、医療ミス・医療過誤事件では、医師の意見書が必要となることや、膨大なカルテをコピーすることがあるため、一般的な事件よりは多くの費用(実費)がかかります。
ただ、医療過誤事件では、重い後遺症や死亡など、生じた損害も大きく、医療ミス・医療過誤の問題点を明らかにすれば、これらの被害の適正な賠償を受けられることになります。
また、医療ミス・医療過誤事件は、一般的な事件よりも解決までの期間が長く、長期間にわたり、弁護士のサポートを受ける必要があります。
ご予算との関係で大切な問題ですので、過剰なご負担とならないように、見通しについて適切に説明してくれる弁護士を選び、複数の弁護士から見積もりをとっていただき、慎重に検討されることが必要です。最終的に患者様が適正額の賠償を受けることができそうかどうか、頼りがいのある誠実なサポートが得られそうかどうか、という費用対効果も含めて、最終的な選択をしていただく必要があると考えます。

3 提携先の確認も大切

弁護士が医療問題に精通しているかどうか、費用はどうか、ということのほかに、協力・提携している医師がいるかどうか、という点も非常に大切です。
弁護士が医療ミス・医療問題に精通しているといっても、例えば、がんの先端治療やまれな病気の治療法など、とても専門性が高いケースでは、弁護士が各専門医に意見を聞きながら解決に向けて交渉する必要があります。
実際に診療にあたっている医師はとても多忙ですし、紛争に関わることに消極的なことも多いものです。
専門性が高いケースは、相談できる専門医とのネットワークが強固な弁護士ほど、あなたを勝訴に導いてくれる可能性が高いといえます。

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