美容整形における説明責任について患者の希望していない下顎骨切除術を行って麻痺を生じたケースについて医師の責任を認めた。

東京地裁 平成13年7月26日 判タ1139号219頁
一般に美容整形のための手術は、患者の主観的願望を満足させる目的を持ち、美容整形外科医は、まず患者の主観的願望を正確に把握し、その願望に沿うように手術部位・方法などを進めなければならず、安易に自己の美的価値観に従い、自己の進める手術に誘引してはならない。しかも、当該手術が当初患者が要求していなかったものであれば、特に当該手術の必要性、難易度、当該手術により患者の外貌がどのように変化するかなどの点について、患者が十分に理解できるよう詳細な説明を行って患者の承諾を得たうえで、手術を行うべきである。

このケースでは、当然の判決のような気がするが、このケースの背景には、頬骨と右下顎を削る希望で受診した当事者に対して、左右のバランスから左下顎も削ったらどうかと医師が勧めたという経緯がある。そのようなケースで、医師が勧めた方法を選択し、そのために左下顎切除時にオトガイ神経を損傷して左顔面のしびれが生じている。オトガイ神経損傷について医師の過失を認めただけでなく、上記のように判示して、美容整形における医師の説明責任は十分に行うべきことを示している。美容整形全般にわたる問題である。