Home 9 Q&A 9 医療過誤かもしれない、と思ったとき、何をすべきでしょうか?

Q.医療過誤かもしれない、と思ったとき、何をすべきでしょうか?

A.
(1)時間経過を整理する
 まず始めに、診療経過の記録が重要です。行われた診療内容を、検査・治療・手術・点滴・処方薬など、いつ、どこで、だれに対して医師・看護師から説明があったか、その内容、もらった検査データや説明書、患者の様子、病状などを、できるだけ起こった順番に沿って、時系列で整理して、記録することが重要です。

(2)説明の時には文書、メモ、録音
 医師・看護師の説明は、誰から、どのように言われたのか、できるだけ言葉どおりに記録することがポイントです。特に、医師からの説明は、患者さんや家族には分かりにくい専門用語もあります。わからなければ、その時に詳しく説明してもらうようお願いします。
説明文書や、イラストを描いて説明してもらったときは、その文書やメモも重要です。
心配であれば、ICレコーダで録音しておきます。必ずしも録音することを医師に伝えなくても問題はありません。録音によって、トラブルを防止できることもあります。その時にはわからなかったことも、調べてみるときの参考にできます。
 看護師さんからいわれたことと、医師からいわれたことが異なっていた場合にも、記録をしておくことでなぜ異なった説明になったかがわかることがあります。

(3)弁護士に依頼するときに一読了解
 時系列に沿って記録をしておくと、ご自身でも問題点の整理ができ、問題点が明らかになります。自分ではよくわからない、専門家に相談したいと思ったときにも、時系列の流れがわかっていると争点が迅速に明確化できます。証拠保全や、交渉、訴訟に進む際には、時系列表を必ず作成します。前もってあらかじめ作成されたものがあると、非常に迅速に対応できます。⇒証拠保全(証拠保全に関するQ&Aはコチラ)の申立の際にも役立ちます。

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医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

この記事を書いた⼈(プロフィール)

富永愛法律事務所
医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

弁護士事務所に勤務後、国立大学医学部を卒業。
外科医としての経験を活かし、医事紛争で弱い立場にある患者様やご遺族のために、医療専門の法律事務所を設立。
医療と法律の架け橋になれればと思っています。
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