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中心静脈穿刺の際に無気肺を生じたケースで医師の責任を認めた

岐阜地裁 平成7年10月12日
敗血症性ショックの患者に鎖骨下静脈穿刺を行った際、患者の体動で穿刺部位を誤ったため無気肺に陥ったケースで、医師の責任を認めた。

中心静脈カテーテルの挿入は、近年非常に頻度が高い処置である。中心静脈栄養目的、補液目的、抗ガン剤治療目的など多くの場面で行われている。穿刺部位は、鎖骨下静脈(前胸部)、内径静脈(頸部)、鼠経部などがあるが、鎖骨下静脈の頻度が高い。鎖骨下、内径では、針が深くまで到達することで気胸、血胸などの合併症をおこしうる。近年は、エコーガイド下で針の深達度を観察しながら行うことが多くなっているが、それでも合併症は起こりうる。このケースでは、合併症を起こしたこと自体ではなく、その後の経過に問題があったと判断されたと考えられる。気胸、血胸を起こしたとしても、胸部レントゲンによる確認で、無気肺などの重篤な状態に至るまでに処置が可能であり、胸部レントゲンによる経過観察を怠ったことが問題視されたと思われる。また、血胸のケースでは、失血性ショックになるまでに適切な処置が行われていれば問題ないことも多い。合併症を起こした場合の処置が適切だったかどうかが重要である。