出生数が減少する中、増え続ける無痛分娩の希望者と無痛分娩取り扱い施設。 需要の高まりから、無痛分娩が「できる」と謳う医療機関は増えています。 しかし、全ての無痛分娩取り扱い施設が安全とは言い難い現状があります。 実際に当事務所がご相談に応じている九州のケースでは、無痛分娩中の医療機関のずさんな管理体制により、 赤ちゃんの異常に気付かず、脳にダメージを負って生まれた赤ちゃんは生後1ヵ月で亡くなりました。 この事故は、2025年9月発刊の読売新聞「医療ルネサンス」でも取り上げられました。...
脳性麻痺は出産事故が原因のことも【産科医療LABO新着】
赤ちゃんが脳性麻痺と診断されたとき、医師から「仕方がなかった」と説明されることがあります。 しかし実際には、出産時の事故や医療機関の対応の遅れが原因で脳性麻痺が発症するケースも少なくありません。 たとえば、分娩中に赤ちゃんが長時間酸素不足に陥ったり、心拍の異常に気づくのが遅れたりしたことで、脳に障害が残る場合があります。 こうした場合、単なる「事故」ではなく医療ミス(医療過誤)と評価される可能性があります。 ただし、医師からの説明や医療機関が作成する報告書だけでは、そうした可能性にご家族が気づけないことも多いのです。...
切迫早産の治療薬リトドリンが“常位胎盤早期剝離”を隠す?見誤りが招く重大リスク【産科医療LABO新着】
妊娠中に見られる腹痛やお腹の張り、出血や破水。これらの症状は「切迫早産」でも「常位胎盤早期剥離」でも現れるため、誤診によって対応が遅れる危険性があります。 常位胎盤早期剥離は、赤ちゃんへの酸素や栄養の供給が断たれることで、母子ともに命の危険や、赤ちゃんに脳性まひなどの後遺症が残るリスクを伴う重大なトラブルです。 さらに問題となるのが、切迫早産の治療薬として使われる子宮収縮抑制薬「リトドリン」。この薬の作用によって常位胎盤早期剥離の症状がマスクされ、対応の遅れから深刻な事態に至るケースが以前から指摘されています。 👉...
無痛分娩の麻酔薬で心肺停止のリスク?【産科医療LABO新着】
2025年7月、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の公式サイトにて、無痛分娩で使用される麻酔薬「レミフェンタニル塩酸塩」について注意喚起が行われました。 実はその約1年前、麻酔科学会も同薬剤のリスクに関する提言を発表しており、副作用として呼吸抑制や筋肉の硬直(鉛管現象)が生じると、通常の呼吸補助が効かず、人工呼吸器の挿入も困難になる恐れが指摘されています。 今回の注意喚起は、麻酔学会の提言を製薬会社が改めて強調したものと考えられます。 無痛分娩を検討されている方にとって、知っておくべき重要な情報です。 👉...
張り止め薬リトドリン、日本だけが長期使用?切迫早産治療の課題【産科医療LABO5/12】
切迫早産の治療薬として、日本では今も多くの施設で「リトドリン」が使用されています。入院中は24時間点滴、自宅療養でも飲み薬が処方され、数週間〜数カ月にわたり安静が続くケースも少なくありません。 しかし海外では事情が異なります。アメリカでは2011年にリトドリンが販売中止、欧州でも2013年以降は使用が厳しく制限されました。さらに「安静」にも有効性が乏しく、むしろ母体へのリスクが指摘されています。 👉 なぜ日本だけが今もリトドリンを長期間使い続けているのか?...
失敗しないカルテ開示 重要ポイントを解説!
病院へのカルテ開示について、時間と費用をかけて手続きをしたのに、欲しいデータがもらえなかった、修正などの履歴がなかったなどの話をよく聞きます。 このコラムでは、カルテ開示にあたって当事務所でお伝えしている失敗しないためのポイントを解説します。 カルテ開示の手続きは自分でできる?! 電子カルテが普及し、カルテ開示手続きも一般的なものになりつつあります。多くの総合病院や公立病院はホームページ上でカルテ開示の方法を具体的に公開しており、患者様やご家族がご自身で手続きすることができるようになっています。...
手術支援ロボット「ダヴィンチ」による子宮体がん手術後に患者が死亡 医師たちも首をかしげる病院の「過失なし」主張
最近はテレビドラマで取り上げられたこともあり、手術支援ロボットの存在をご存じの方も多いのではないかと思います。現在、日本の病院が導入している手術支援ロボットで寡占状態ともいえるシェアを持つのが、「ダヴィンチ」です。 2022年に、長崎大学病院で子宮全摘手術後に患者が死亡する医療事故がありました。 同年7月、ステージⅠの子宮体がんと診断された女性は、手術支援ロボット「ダヴィンチ」による子宮全摘手術を受け、10日ほどで退院しましたが、数日後下半身から多量の出血があり、その後出血性ショックで亡くなりました。 ...
Viewtify®始動!!
Viewtify®が導入されました! 富永愛法律事務所では、CT・MRI画像が立体視できるようになりました! 早速全ての症例データを試しています。 動画は胸部、肺を3DCG化しているところです! ...
『ブラックペアン』に登場する医用画像ビューワーの開発者、瀬尾先生にお越しいただきました!
2024.9.4 医用画像リアルタイム3DCG可視化ソフトウェア「Viewtify®」のデモンストレーションのために、 株式会社サイアメント 瀬尾拡史先生にお越しいただきました。 Viewtify®は、現在放送中のドラマ『ブラックペアン2』に登場しています! 医療AI「エルカノ」を使用した手術シーンで、Viewtify®で可視化された心臓がモニターに映し出されています。 と言うわけで、株式会社サイアメントで私が開発してきた医用画像リアルタイム3DCG可視化ソフトウェア @viewtify...
病院が両親へ必要な指導をしてくれていれば…気管カニューレが閉塞し、低酸素性虚血性脳症となった女の子が3歳で死亡 名古屋高裁で遺族が逆転勝訴
呼吸を助けるための「気管カニューレ」を使用していた生後6か月の女の子が、病院を退院した翌日に気管カニューレが閉塞し、長時間呼吸ができず低酸素性虚血性脳症を発症、意識不明の状態となってしまいました。その後、女の子は意識が戻らないまま3歳で亡くなっています。 2023年10月にも、岩手医大病院で同様の事故がありましたが、気管切開後の永久気管孔の仕組みを理解していなかったとして病院はすぐ事実を認め謝罪しています。 【コラム】たん吸引不十分で医療ケア児死亡 岩手医大病院で医療事故...